時時雨はかり 壱 前 私は目を覚ました瞬間、今の時刻が夜中の三時二十二分だと知っていた。直感や勘といったものではない。右手を開けば右手を開くのと同じように、自分と結果の間に当たり前が介在しているかのごとく、知っていたのだ。翼…
探偵 #1 探偵というものほど、理想と現実がかけ離れた職業はないでしょう。 難事件を解決することもなければ、警察からライバル視されることもない。そもそも事件というものに関わることはほとんどありません。依頼があることがそもそも少なく、…