時時雨はかり 壱

前   私は目を覚ました瞬間、今の時刻が夜中の三時二十二分だと知っていた。直感や勘といったものではない。右手を開けば右手を開くのと同じように、自分と結果の間に当たり前が介在しているかのごとく、知っていたのだ。翼…