【十二と時針シリーズ】丑二つ

目が覚めたとき、僕はどこかの狭い倉庫らしきの中にいた。らしき、というのは判断材料が乏しいことに起因するのだけれど、まあ居住スペースでないことは床を見れば一目瞭然だった。こんな砂塗れのざらついたところで、窓もなく、しかも蛍…

【十二と時針シリーズ】未一つ

最近よく昔を思い出す。そう言うと決まって歳をとったのだなと笑われる。 「おかしいね。あたしと同い年なのに」 そう、まさしくこんな風に。 「たとえ本当におかしいとしても、笑われるのは気分がよくないね」 「ごめんごめん。でも…